はじめての日光東照宮。時間がないけど、見どころはしっかり押さえたい——。
そんな方にぴったりなのが「30分コース」。
表参道からスタートし、三猿や眠り猫、そして陽明門のきらびやかさまで、短い時間でも感動がぎゅっと詰まっています。
日光東照宮30分コースの見どころは12箇所です。
滞在時間 30分コース | |
チケットについて | ④拝観受付所でのチケット購入は基本的に避けましょう。 混雑時は10分以上並ぶことがあり、60分では足りなくなる可能性があります。おすすめは事前予約>>事前予約はkkday QRコードを⑤表門で係の方に提示して入場できます。※チケットには有効期限があります。 |
目安滞在時間 |
※写真撮影の時間を入れても、30分以内でまわれます! |
ここに注目! | 五重塔では、つい全体を撮りたくなりますが、1段目の屋根の下に注目!正面・左右・裏に3体ずつ、干支を表す十二支の彫刻があります。
陽明門は彫刻の豪華さばかりが話題ですが、実は天井画も見どころ。表と裏の2面、それぞれ違う龍が描かれています。 眠り猫の裏側、何があるかご存知ですか?ぜひ自分の目で確かめてみてください。 |
トリビア | 五重塔の中央を通る「心柱(しんばしら)」は、地震対策で地面に接していません。この技術、実は東京スカイツリーにも応用されています。 ※塔内は特別公開日以外、立ち入りできません。 |
Contents
第1章:荘厳なスタート!日光東照宮の神域に至る道
神橋:東武日光駅から約1.5km(徒歩約20分)
①表参道
東武日光駅から約1.6km先、神橋から表参道が始まりますが、30分コースでは神橋は含みません。
今回は、日光山輪王寺(三仏堂)のあたりからスタートします。正式には「表参道」ですが、対になる「裏参道」は存在しません。
なお、西参道交差点から日光二荒山神社に向かう道は「西参道」、東照宮から二荒山神社へ向かう参道は「上新道(かみしんみち)」と呼ばれます。
社号標(渋沢栄一書)
②石鳥居
1618年、長崎の大名が寄進した石の鳥居。手前の石畳が末広がりに敷かれていることで、鳥居がより大きく見える“パースペクティブ効果”が生まれています。
このさりげない工夫が、参拝者に「おおきな門だな」と感じさせるのです。
③五重塔
1818年(文政元年)に再建された五重塔は、いまもその美しさと機能を保っています。
内部には、2段目の屋根付近から吊るされた「心柱」があり、地面から10cmほど浮いています。これは振り子の原理を利用し、地震の揺れを和らげる構造になっています。
正面(東側)には、干支の寅・卯・辰の彫刻が刻まれています。ちなみに、家康は「寅」、秀忠は「卯」、家光は「辰」年生まれです。
④拝観受付所
正式名称は「東照宮拝観所」。ここで入場券を購入できます。
地図やパンフレットも手に入るので、本来はここで準備を整えると便利ですが、30分コースでは事前にチケットを用意しておきましょう(並ぶ時間が惜しいため)。
第2章:人気彫刻ゾーン!三猿の教えと想像の象なの?
⑤表門(仁王門)
左右に仁王像が立ち並ぶ、仏教由来の格式ある門をくぐることで、いよいよ参拝が本格的に始まると実感できます。
チケットはスマホに表示されたQRコードを門の係員に提示して入場します。
表門の両脇に、仁王像が確認できます。
⑥三猿(神厩舎)
表門を入るとすぐ右手に下神庫が、左方面(陽明門方向)を見ると、左に神厩舎(写真には写っていません)が、右に上神庫が見えます。
右の建物が上神庫:通路を挟んだ正面が神厩舎になります。
神厩舎
三猿「見ざる・聞かざる・言わざる」は、悪事に関わらないことを教える仏教由来の教訓。
子供にもわかりやすい人生訓として親しまれています。
表情豊かな彫刻で、作者は左甚五郎とも言われています。
⑦想像の象(上神庫)
想像上の「象」は江戸時代初期の絵師・狩野探幽(かのうたんゆう)のデザインで、実際に象を見ずに制作されたと言われています。
耳や足のかたちに不思議な特徴があるので、見るときっと笑顔になります。
また、象の左にいる動物も謎ですが、「獏」が一番近いかもしれません。
第3章:芸術の極み!圧巻の陽明門!
⑧陽明門
約500点以上の彫刻がぎっしりと施された、圧巻の陽明門。
霊獣や唐子(子どもたち)の遊ぶ姿、人物像など、繊細な装飾のすべてが芸術品です。
その美しさは「日が暮れるまで見ていられる」と称され、「日暮の門」とも呼ばれています。
午前の日差しが当たった陽明門
⑨陽明門・逆さ柱
12本ある柱のうち、1本だけ模様(グリ紋)が逆さに彫られています。
これは「完成しすぎると崩壊する」という考えから意図的に施されたもので、「魔除けの逆柱」としても知られています。
⑩陽明門・天井画
陽明門の天井には、昇り龍と降り龍の「雲竜図」があり、それぞれ門の内側(北側)と外側(南側)に描かれています。江
戸時代の画家・狩野探幽またはその一門によるもので、特に昇り龍は探幽の筆とされ、動きや鱗の描写が見事です。
上:降り龍(外側)/下:昇り龍(内側)
⑪唐門
唐門は御本社(拝殿と本殿)への正面入り口にあたり、白い胡粉仕上げに黒紫色の象嵌や蒔絵が映える華やかな門です。
細やかな彫刻は611体にもおよび、中には中国の皇帝・舜が臣下と対面する場面も描かれています。
唐門の裏が御本社(拝殿と本殿)になります。通常の拝殿前のご参拝ではなく、唐門の前の参拝になります。
第4章:クライマックスは「眠り猫」の平和への願い
⑫眠り猫
眠り猫は、小さくも印象的な彫刻で、静かに目を閉じています。
その裏側には、2羽の雀が楽しげに遊ぶ彫刻があり、争いのない平和な世界を象徴しているとされます。
本来なら敵同士の猫と雀が共にある姿に、家康の願った「平和」が静かに込められているようです。
日光東照宮の御朱印をいただく
陽明門を入っってすぐ右(眠り猫からは左手)の社務所から、御朱印をいただきます。
社務所(左の建物)
日光東照宮30分集中攻略ガイド[まとめ]
たった30分でも、日光東照宮の魅力はぎゅっと詰まっています。
三猿の教えに笑みがこぼれ、想像の象にほっこり。陽明門の彫刻美には、ただただ圧倒されるばかりです。
駆け足のぶん、「次はもっとゆっくりまわりたい」と感じるはず。
次回はぜひ、奥宮や家康公の墓所まで足をのばして、“東照宮の深み”を味わってみませんか?